TeX

アプリケーションの説明

組版システムです. 恐らく, 学会の原稿の大部分は TeX を使って書かれています.

関連サイト

インストールの前に

Ghostscript　と GNU ed もインストールしておきましょう. ed 自体は ./configure --prefix=/usr/local && make && make install で問題なくインストールできますし, Cygwin Setup のパッケージを利用してもいいです.

インストールの方針

ASCII pLaTex2e で EUC コードの TeX ファイルを扱えるようにします (pTeX 3.0.4 からは, オプションで漢字コードの切り替えが出来るようになりました.). TeX ファイルから生成される DVI ファイルは, X Windows 上ではなく, dvips 等で Postscript 形式に変換して Ghostscript の Windows 版で閲覧したり, dvipdfm 等で PDF 形式に変換して Adobe Reader で閲覧するのが目標です.

これから行う作業でインストールをするのは次のものになります.

インストール方法

  1. インストール前の準備
    1. FTP Ring Server (Tenbin)から, 以下のファイルをダウンロードする.
    2. TeX Related Information Page の TeX under Cygwin から tetex-src-2.0.2-cygwin.patch を入手しておきます.
    3. Haruhiko Okumura's Home Page から サイトマップ -> pLaTeX2e 新ドキュメントクラスとたどって, jsclasses-YYMMDD.zip (執筆時点では jsclasses-030822.zip) を入手します.
    4. dvipdfm の日本語化から, dvipdfm-0.13.2c-jpatch-p1d.diff.gz と out2uni.c を入手します.
    5. The DVIPDFMx project から, Download Snapshots とたどって, 最新版の dvipdfmx-YYYYMMDD.tar.gz (執筆時点では dvipdfmx-20030812.tar.gz) を入手します.
  2. teTeX
    1. もしも, Cygwin 内で, 次に挙げる環境変数を利用している場合は, teTeX のインストールの作業中は削除 (B シェル系では unset, C シェル系では unsetenv) する.
      • TEXMF
      • TEXMFMAIN
      • TEXMFCNF
      • COMSPEC
    2. mkdir コマンドで, /usr/local/share/texmf というディレクトリを作る.
    3. tar コマンドで tetex-src-2.0.2.tar.gz を展開する (以下, 説明のために展開した先のディレクトリを SRCDIR とします (B シェルの export や, C シェルの setenv コマンドで実際に環境変数を 一時的に設定してもかまいません.). SRCDIR は /usr/local/share/texmf, および, その下のディレクトリにしてはいけません.). また, tetex-texmf-2.0.2.tar.gz を /usr/local/share/texmf ディレクトリに展開する.
    4. tetex-src-2.0.2.tar.gz を展開してできたディレクトリ tetex-src-2.0.2 に移動する.
    5. パッチ tetex-src-2.0.2-cygwin.patch を当てる.
    6. ./configure --prefix=/usr/local --disable-multiplatform --without-x --without-xdvik --without-oxdvik --without-dvipsk --without-dvipdfm --without-psutils --without-texinfo --with-system-ncurses --with-system-pnglib --with-system-zlib --with-system-tifflib && make world を実行する.
    7. リハッシュ (C シェル系や zsh なら rehash コマンド. B シェル系なら hash -r コマンド) する. この時点で, ASCII 文字のみの TeX ファイルを受け付けるようになります.
    8. インストール後の設定に書かれてある環境変数を 設定します.
  3. ASCII pTeX
    1. ptex-texmf-2.1.tar.gz を $TEXMF に展開します.
    2. mktexlsr を実行する (注 1).
    3. $SRCDIR/tetex-src-2.0.2/texk/web2c ディレクトリに移動して, ptex-src-3.1.2.tar.gz を展開する.
    4. ptex-src-3.1.2.tar.gz を展開してできたディレクトリ ptex-3.1.2 に移動する.
    5. ./configure euc && make && make install && mktexlsr を実行する.
  4. dvips
    1. $SRCDIR/tetex-src-2.0.2/texk/dvipsk ディレクトリに移り, dvipsk-jpatch-p1.6.tar.gz を展開する.
    2. dvipsk-jpatch-p1.6.tar.gz を展開して出てきたパッチ dvipsk-5.92b-p1.6.patch と, FTP Ring Server からダウンロードした udvips-5.94a-p1.6.patch をこの順に当てる.
    3. ./configure --prefix=/usr/local --disable-multiplatform && make && make install を実行する.
    4. $TEXMF/dvips/pstricks ディレクトリに移り, dvipsk-jpatch-p1.6.tar.gz を展開して出てきたパッチ PSTricks.patch を当てる (patch -p0 < $SRCDIR/tetex-src-2.0.2/texk/dvipsk/PSTricks.patch).
    5. /usr/local/teTeX/share/texmf/dvips/config ディレクトリに移り, 私が作成したパッチを当てる. このパッチは, $TEXMF/dvips/config/config.ps の内容を, pTeX に対応させるものです.
    6. mktexlsr を実行する. この時点で, pTeX, pLaTeX を使用できるようになります.
  5. jclasses (松阪大学の奥村晴彦教授が作成した ドキュメントクラスです.)
    1. jis.tar.gz, morisawa.tar.gz をそれぞれ展開し, jis/tfm/ptex, morisawa/tfm/dvips, morisawa/tfm/ptex の中にある 拡張子が .tfm のファイルを全て $TEXMF/fonts/tfm/ptex に, jis/vf, morisawa/vf の中にある 拡張子が .vf のファイルを全て $TEXMF/fonts/vf/ptex にコピーする.
    2. $TEXMF/ptex/platex ディレクトリに jsディレクトリを作り, そこに jsclasses-YYMMDD.zip を展開します (unzip jsclasses-YYMMDD.zip -d $TEXMF/ptex/platex/js).
    3. 拡張子が .ins のファイルに対して platex を実行します (for i in *.ins; do platex $i; done).
    4. mktexlsr を実行します.
  6. mendex
    1. $SRCDIR/tetex-src-2.0.2/texk に mendexk2.5.tar.gz を展開し, そのときにできたディレクトリ $SRCDIR/tetex-src-2.0.2/texk/mendexk2.5 に移る
    2. Makefile を kpathsea のバージョンにあわせて (今回は 3.4.5) 修正して (私がパッチにしたもの), make && make install を実行する.
  7. dvipdfm
    1. $SRCDIR/tetex-src-2.0.2/texk に dvipdfm-0.13.2c.tar.gz を展開して, できたディレクトリ dvipdfm に移動する.
    2. パッチ dvipdfm-0.13.2c-jpatch-p1d.diff.gz を当てる.
    3. ./configure --prefix=/usr/local --without-x --with-png --with-zlib --with-kpathsea=/usr/local && make && make install を実行する.
    4. $TEXMF/dvipdfm/config/config ファイルと, $TEXMF/dvipdfm/config/cid.map にフォントマップの情報を書き加えます. 私が作成したパッチを利用するのが 手っ取り早いでしょう (注 2).
  8. dvipdfmx
    1. $SRCDIR/tetex-src-2.0.2/texk に dvipdfmx-YYYYMMDD.tar.gz を展開して, できたディレクトリ dvipdfmx-YYYYMMDD に移動します.
    2. ./configure --prefix=/usr/local --without-x --with-png --with-zlib --with-kpathsea=/usr/local && make && make install を実行します.
    3. $TEXMF/dvipdfm ディレクトリに移り, /usr/local/share/ghostscript/Resource ディレクトリに シンボリックリンクを貼ります (ln -s /usr/local/share/ghostscript/Resource .).
    4. $TEXMF/dvipdfm/config/dvipdfmx.cfg ファイルと, $TEXMF/dvipdfm/config/cid-x.map にフォントマップの情報を書き加えます. 私が作成したパッチを利用するのが 手っ取り早いでしょう (注 2).
  9. out2uni
    1. out2uni.c を gcc でコンパイルし (gcc -DEUC -O2 -o out2uni out2uni.c), インストールします (install -m 755 -s ./out2uni /usr/local/bin).

インストール後の設定

Cygwin で環境変数を設定する必要があります.

TeX 用の環境変数
変数値
TEXMF/usr/local/share/texmf
TEXMFCNF/usr/local/share/texmf/web2c
TEXMFMAIN/usr/local/share/texmf