学習方針

大学入学試験や公務員採用試験のように, 傾斜配点がある場合は重点学習事項があるので分かりやすいが, この試験はすべての科目において最低ラインをクリアしなければならない. 教材の紹介の折にも簡単に触れたが学習すべき科目は広範囲に渡る. 試験科目としては次の 6 科目になる.

物化生
物理学, 化学, 生物学の総合問題. ただし, 最近は複合的な問題が殆ど出ていないので, 各科目別の理解度がそのまま試されることとなる.
物理学
原子の構成や放射線の物理的な作用, 相対性理論に関する出題.
化学
放射性物質の抽出やラジオコロイドなどの出題.
管理・測定技術
放射線の検出・計測機器や放射線を扱う施設に関する出題.
生物学
放射線被爆による健康被害や遺伝の異常について扱う.
法令
原子力基本法に関する記載はわずかにあるが, 放射線同位元素等による放射線障害の防止に関する法律 (放射線障害防止法) およびその施行令や施行規則, 告示に関する試験となっている.

これだけの出題範囲があるので, すべての科目において平均的に学習を進めることができればいいのだが, 他の科目の学習をとめてでも真っ先に学習を進めなければならない科目がある. 物理学である. これが分からないと, 他の科目の学習に支障をきたす. 私のように平日に学習する時間を取れない場合, 3 ヶ月は学習に時間がかかるだろう. また, 他の科目を終わらせてから出ないと学習を進めにくい科目がある. 法令である. 法律の中で Sv, Gy などといった単位が平気で使われるので, 少なくとも物理学は終わらせていないと理解ができないだろう. 学習は物理が 3 ヶ月, 他の科目は 1 ヶ月程度の期間を設けるべきである.

私は仕事柄, 法令に触れる機会があったので一般の受験層 (原子力関係の研究者) よりは法令に対する抵抗が少なかったように思う. 法令になじみがない場合は学習期間をより多く充てたほうがいい.

これを踏まえて, 私の学習スケジュールは大まかに次のように進めた.

  1. 3 月までに物理学の分野について一通り学習をする.
  2. 管理・測定技術は物理学が分かっていればある程度進めやすいので, 物理学の学習を終えたら手をつける.
  3. 管理・測定技術の学習をる程度まで進めたら, 化学と生物学の学習も平行して進める.
  4. 他の科目の学習が一通り終わってから法令に手をつける.

放射線取扱主任者試験受験者に対するサポートシステムを利用するならば, 第 5 回教材提出課題締切を提出する前までにすべての試験範囲について一通り 学習を終えていることが望ましい.