平日の日中は仕事のために学習の時間が取れない. 休憩時間などのちょっと空いた時間に暗記物の学習をするといった方法は 私の性に合わないので仕事の後の時間と休日にまとめて学習していた. そのようなスタイルの学習をするに当たって私の利用した教材のリストは 参考になるだろう.
試験範囲は広範囲に渡る. 試験は 6 項目 (内, 1 項目は 3 項目分の総合試験) になるが, 最低でも大学初等レベルの数学の知識, 高校レベルの科学 (物理, 科学, 生物) の知識, 法律の読み方を修得している必要がある.
本項目ではこれらの知識を一通り修めることができる教材を紹介する. なお, これらの書籍を利用する場合は必ず最新版を参照すること. 法律の改定や新発見などが古い版だと更新されていないことがあるためである.
なお, この手の教材は誤植が付き物なので絶対に鵜呑みにせずに内容を検証すべし.
サブタイトルが第 1 種放射線試験受験用テキストとあるように, 本試験の対策によく用いられている書籍である. この本を理解してようやく合格に届くといっても過言ではない.
サブタイトルが第 1 種放射線取扱主任者試験の要点とあるように, こちらも本試験の対策によく用いられている書籍である. 先に紹介した放射線概論では理解しづらい内容も噛み砕いて (多少端折って) 紹介してあるので初学者にはこちらのほうが向いているかもしれない. ただし, 法令の分野の記述は分かりにくいので本書のみを利用する学習は止したほうがいい.
通信教育セット (全 6 回) で毎年 50 人程度の定員. 値は張るが, やり通せばそれだけの価値はある. この手の教材はやっぱり誤植が多いので, 質問制度を積極的に利用することで真価を発揮する. 例年, 募集開始時期が試験前年 12 月からとやや早いので注意.
こちらは 3 日間に渡る学習会. 試験の3週間ほど前に実施される. 自分の弱点を洗い出すのに絶好の機会である. 値が張るのはどうしようもないが.
放射線取扱主任者試験は以下の科目全てで最低水準に 到達しなければならない.
このなかで, 物理学だけは他の全ての科目にまたがる内容なので真っ先に修得すべきである. 後は化学, 生物学, 管理・測定技術を平行して学習し, 最後に法令に手をつけるのがよいだろう. 以下は科目別の参考書の紹介である.
なぜ試験科目にない数学をわざわざピックアップしているのかと疑問に思われるかもしれないが, 物理学や測定技術の分野を理解する上では外せないので取り上げてみた. ここで取り上げる書籍は筆者が大学に在籍していたときに利用していた参考書なので, 同様の内容を取り上げている書籍であれば何を利用しても問題ない.
微分方程式 (特に 1 階の線形微分方程式) の解法について参考にした. 他にも Laplace 変換や Fourier 変換, 空間ベクトル解析について記載があるが, 本試験の対象外であるので無視してかまわない.
統計における平均, 分散の取扱や, 正規分布, Poisson 分布といった代表的な確率密度関数の記述について参考にした.
この科目に関しては絶対に最新の法令をチェックすること. 少なくとも, 放射線同位元素等による放射線障害の防止に関する法律 (放射線障害防止法) は平成 17 年 10 月施行分について, これ以前と比較して大きな改定があったので注意.
法律についてはこの本がないと原文を探す労力が非常に大きくなってしまう. 常時読むようなものではないが必携といっても過言ではないだろう.
ここまでで挙げた教材を利用すれば事足りるはずである. それでも不安であれば, 高校レベルの参考図書 (図説化学など) を参照すればよい. 放射線の関わりを除けば, 物質の化学的挙動は放射性同位体も非放射性同位体もほぼ同じである.