筆者が実際に行った学習方法を紹介する. まずは時系列で学習スケジュールを追ってみよう.
時期 | 教養試験 (文章理解, 判断推理, 数的推理, 資料解釈) | 教養試験 (自然科学, 人文科学, 社会科学) | 専門試験 | 模擬試験 |
---|---|---|---|---|
2003 年 10 月 |
|
|||
2003 年 11 月 |
|
|
||
2003 年 12 月 |
|
|||
2004 年 1 月 |
|
|
||
2004 年 2 月 |
|
|
|
|
2004 年 3 月 |
|
|
||
2004 年 4 月 |
|
|
|
|
2004 年 5 月 |
|
|
|
|
2004 年 6 月 |
|
|
|
公務員試験の傾斜配点を考えると, 学習優先順位は次のようになるのは明らかだろう.
そこで, 早い段階で専門試験の対策学習を終わらせて, 教養試験のための学習時間を確保することが重要である.
模擬試験についてはペースメーカーとして考える. すなわち, 自分の弱点を把握するためのものとして, 学習計画の見直しに役立てるのである. もちろん, 模擬試験を復習することも重要である.
学習に当たって重要なのは, 不必要に多くの教材に手を出さないことである. ひとつの教材を完全にものにすることで自信もつくし, なによりも, 種目別の出題内容の全体像を把握することが重要だからである.
出題内容は, 内容把握 (和文, 英文), 段落整序 (和文, 英文), 和文穴埋めなどが主なところである.
英文問題は, 高校卒業レベルがあれば国家公務員Ⅰ種クラスの問題でも読解は可能であるが, 筆者はその程度のレベルもなかったので, 自分がよく使っているコンピュータソフトウェアのマニュアルの和訳に挑戦して読解力を身につけた.
和文問題は結局得点が安定しなかったので, 私からはアドバイスすることはできない.
非常に複雑な条件が絡み合う問題が多いので, 十分な量の演習をすることが重要だろう. 過去問題や模擬試験の復習を最優先にするべし.
自然科学分野の数学と共通する部分が多いので, 数学を優先して学習すれば自然と身につくはず.
検算に十分な時間を掛ければ正解を出すこと自体は簡単であるが, 試験時間の都合上, 一問当たり 5 分程度が限界だろう. そこで, 計算時間を短縮するためのテクニックを身に着けたい.
演習をこなすことも重要だが計算量を減らすための工夫をすることがより重要で, その話は私が紹介した教材に例が載っているので参考にしていただきたい.
技術系の試験と重なる部分がある場合は, そちらの学習をメインにすべきだろう. 私の場合は数学と物理に共通点が多かったので, 特に教養試験に向けての対策はしなかった.
他の分野は高校時代の教科書があれば, そちらを参考にしたい. 単語の暗記も必要だが, 説明文の正誤判定ができるようになるためには広い知識が必要だからである.
なお, 自然科学分野を全て解こうとしたとき, 計算問題が多数含まれていると時間を取られるので, 計算の演習はやっておくべきである.
私は捨て科目にしていたのでアドバイスすることはできない. いちおうウォーク問とよばれる本には目を通したが, 暗記事項が多かったので諦めた. ただし, 最近は日中韓の問題がクローズアップされてきているので, アジアに関する出題が予想される.
普段から新聞に目を通しておくべし. 経済史など, 歴史の分野にまたがる問題は教材を使って対策した.
数学と物理に関しては演習量がものをいう. 少なくとも定数係数二階全微分方程式を解ける程度の力を身に着けるべし. 物理も結局は微積分や線形代数の解析によって理論づけられてきたものなので, 最後は数学の力がためされる.
専門分野は大学で学んだことをきちんと身に着けていれば問題ないが, 力不足を少しでも感じたならば最優先で復習に取り掛かるべき. 筆者の場合, 残念ながら電気回路の問題に弱点が発覚したので (情報工学科出身ながら非線形素子を含む電気回路に関する講義がなかった. また, 流体力学に関する知識もなかった.), その対策を強いられた.